『テムレイ』の記憶
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井戸
幼少の頃。

三歳か四歳ごろだったろうか、
近所に住む家族が借金抱えて夜逃げした。
その家の土地は祖父のものだったので、
大人の話し合いがなされたのか取り壊すことに。
かなり貧しい家だったので、造りも安普請。
今思えば信じられないような家だった^^;
トタンの屋根と壁(トタンを知らない人多いかも)。
ベニヤの床。。
わずかに残された家財道具とゴミなど外に出すと、
ほとんど骨組になってた。
その状態になって作業してたおばさん達が騒ぎ出した。

「ちょっとぉ!見てよー!!」

私は近所の子供たちと走って家の中に入った。
おばさん達は床を見ながら取り囲むように立っていた。
私も近寄っておばさん達の視線の先を見てみた。

井戸があった。

「誰か知ってた?ここに井戸があるの」
誰も知らないらしかった。
土地を買い上げて一族を住まわせていた曾祖父の代から、
誰も知らない井戸。。

「井戸の上には絶対に家なんか建てたらアカンのになぁ」
「なんでアカンの?」
私は作業の手伝いをしていた母の手を握ってたずねた。
「井戸は生きてんねん。息するからな、家建てたりして塞いだら、
息出来んくなって苦しいやろ?
そやから塞いだ家の人間も同じように苦しむことになんねんで」

なんだか妖怪を見たような気がして、
井戸が凄く怖く見えたのを記憶してます^^;
それから家を建てる時は、
井戸がないかなかったか細心の注意を払っております。

って、マンション住まいで何言ってんだか^^;




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