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杉浦 日向子 『百物語』
sugiurahinako 001

読んだ。

小説と同じく『マンガ』も同じ作家の作品を繰り返し読んでます^^;
好きな小説家の人数よりも好きな漫画家の方が多数ですね。。
もちろんどちらもイレギュラーはありますが。
単発で読む作品、好きな作家の読まない作品など、、、

で、『杉浦 日向子』です。
この方は江戸風俗・文化に大変造詣が深く、
『北方謙三』や『宮部みゆき』などがご教授賜っていたほど。
どうもそっちの方が忙しくなったようで、
1993年漫画家引退。
文化活動を精力的に行ってたようです。
NHKの番組『お江戸でござる』の解説が有名かと。
残念な事に2005年夭逝。
好きな『漫画家』だったのでショックでした・・・・

さて、この作品。
杉浦作品の中で一番好きです。
『風流江戸雀』も1番かな^^;
表題の通り『百物語』です。内容は江戸時代です。
狐狸妖怪話が多いです。時代です。古き良き日本です。

『ご隠居』が植木職人に「珍しい話はないか」と、
所望する場面から始まります。
その後、様々な人々から話を聞いて都度、線香を1本たてます。
話の中の登場人物は叫んだり、恐怖にのたまう事はありません。
静かに語られます。
「だから何?」的な話がほとんどで、
起承転結のない話がほとんど。
でも、実際に身の回りで起こる不思議な出来事は、
「????」で、人に説明してもうまく伝えられないものでしょう。
それがリアルであり、本当の怖さではないかと思います。
全編通じて何とも言えない郷愁があり、
その不思議さと怖さが心地よく、
枕元の本として最高作品です。



☆紹介抜粋☆
百物語 其ノ四十一
『地獄に呑まれた話』
*舞台は九州雲仙の地獄谷のような煮えたぎる池のほとり。

或る旅の父子
地獄谷という所を
通りし折の事。


子供が煮えたぎる池を覗き込みながら、
「怖いねぇ、凄いねぇ」と関心します。
父が子のそばにしゃがみこみ、
なんの躊躇もなく人差し指を池に浸けます。
す っと。
煮えたぎる池に浸かっている父の指を見て
子が心配になり、「おど、、、」と問いかけます。
しかし父は 「それほど熱くはない」
無表情で平坦に答えます。
そして、す っと指を抜くと、途端に熱く感じ、
「熱い!熱い!」 転がって熱がります。
ですが、また当然のように池に浸けます。
今度は手を。

こうしていると
何でもないのに
引き抜く途端
燃えるように
熱くなる。


浸けた右手が言うことを聞かないのか、
左手で右手を池から引き抜きます。
途端 「うああっ。うー。うう〜ッ。」
熱さを感じ、たまらず両腕を肘まで浸けてしまいます。

何とした事だ。

子は心配を通り越して怖くなり、
「おど、行こう、おど!」と半べそかきます。
しかし、子の心配をよそに父は、、

ああ、
心地良い。

まるで
真綿の中だ。


子供が地獄池のほとりで泣いているのを、
旅の僧が見つけます。
僧は地獄池にはまったのであろう父親を助けようとします。
「どうなすった。さあ、これに掴まりなさい。」

行きずりの僧が
見た時には
首ばかり出し、
いくら呼べども
只にこにこと
笑うのみにて
答えなし。


その有り様
余り惨き事とて、
子供を伴いて
即ち去りしと。






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(1995/11)
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テーマ:マンガ - ジャンル:アニメ・コミック


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